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本会議質問報告②(医療的ケア児(者)の支援拡充について)

 11月27日におこなった本会議一般質問に対する答弁の一部を複数回にわけてご紹介しております(メモに基づき記載)。なお、正式な議事録は1か月程先となります。

 

2回目は、医療的ケア児(者)の支援拡充についてです(〇=質問 答弁は赤字で記載しています)。

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 現在、中野区は医療的ケア児(者)への支援として、障害児通所支援、居宅型訪問保育や区立保育園での保育、 重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業などを実施しています。区立保育園における保育は、今年度、沼袋保育園・白鷺保育園で受け入れを開始し、来年度4月からは本町保育園を加えた計3カ所で1名ずつの受け入れ予定となっています。また、在宅レスパイト事業については、2017年7月から医療的ケア児も対象となり、今年9月末現在、30名が登録し、19名が利用しています。今回、中野区が独自の対応として、重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業の利用上限時間を120時間に拡充したことは高く評価致します。しかし、医療的ケア児(者)の方々の実態と照らせば、決して、これで十分とは言えません。

 

 現在、素案が示された「中野区障害者計画・第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画」において、「医療的ケアが必要な方への支援拡充の必要性」について明記されていますが個々の状況は様々です。個別性の高い状況だからこそ、支援の選択肢を増やし拡充していくことが急務となっています。

 

〇現在、区は区内の医療的ケア児(者)の人数は把握されていますが、個々の状況はどのように把握をしているのか。また、継続した実態把握とともに個々のニーズ把握も欠かせないと考えます。見解を伺います。

 

答弁:医療的ケア児(者)の個々の状況とニーズを把握することは重要と認識している。医療機関等の関係機関からの情報提供や災害時個別支援計画の作成、障害福祉サービスの申請に係る障害支援区分認定や勘案事項調査により状況を把握している。サービス更新時の調査や関係機関からの情報提供によって個々のニーズを把握している。

 

〇その上で素案にも示された、「医療的ケアが必要な方への支援拡充の必要性」を、どう具体化していくのかが重要と考えます。同計画は来年3月に策定予定ですが、今後、区としての具体的な支援拡充についての考え方を伺います。

 

答弁:重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業や医療的ケアが必要な方への短期入所事業、生活介護事業、グループホーム設置などを利用者の声を反映し支援の拡充を図っていく。重症心身障害児や医療的ケアを必要としている方が、地域において必要な支援を円滑に受けられるよう支援機関が有機的に連携し、対象者について情報や支援内容を共有し対象者やその家族も含めて総合的な支援をおこなうための医療的ケアコーディネーターの配置について検討をすすめていきたい。

 

 現在、重症心身障害児(者)の判定基準の1つに、一般的に「大島分類」が使われています。「大島分類」は座位がとれる・立てる等の身体をコントロールする力と知的能力(IQ)がどの程度あるかという2つの軸によって構成され、1~4に該当する場合に重症心身障害児と判定されます。しかし、この大島分類は約50年前(1971年)につくられたもので医療的ケア児は考慮されていません。例えば、経管栄養のチューブをしていても、知的な遅れがなく自分で歩くことができる医療的ケア児はこの分類では重症心身障害児には判定されません。そのため、いわゆる動ける医療的ケア児は制度の狭間に置かれてしまい利用できるサービスが非常に限られてしまいます。

 

〇現在、区では重症心身障害児(者)の判定は、何を基準としているのか伺います。

 

答弁:児童福祉法第7条2項において、重度の知的障害者および重度の肢体不自由が重複している児童と定義されており、その判断基準として大島分類を根拠としている。

 

〇厚生労働省の「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について」の通知では、通所給付決定の際の注釈として、「年齢や疾患などの状態により知的障害及び肢体不自由の程度判定が難しいこともあるが、医師や児童相談所等と連携し、大島分類を参考にしつつ、個々に判断する必要がある」と明記されています。この注釈については、どのように考慮されているか伺います。

 

答弁:障害の状況だけではなく、特に低年齢の児童の場合にはその方の特徴や疾患等の状況も考慮している。判断が困難な場合には、医師などに確認し個別に判断をしている。

 

 私がご相談をいただいたBさんのお子さんは現在、5才で人工呼吸器と酸素を使用し、1時間に3~6回の痰の吸引や気管切開部の管理が欠かせません。身体障害者手帳は心臓機能障害で1級・身体機能障害で3級(上肢機能障害6級・体幹機能障害3級)、愛の手帳で3度です。座位が保て、手を繋ぐと歩くことも可能ですが、自分の手で酸素チューブや気管切開部に触ってしまうので目が離せません。しかし、運動機能やIQからは、重症心身障害児の判定はされません。そのため、中野区内の通所支援は利用することができないため、現在、武蔵野市内の通所支援を車で片道60分かけて週1回利用している状況です。

 

 動ける医療的ケア児を在宅でケアする保護者にとっては、高い医療依存度に加えて見守り度も高く、非常に負担が大きいにも関わらず、現在の障害福祉サービスの短期入所や通所支援での受け入れは極めて困難な状況です。中野区や東京都内に限らず、全国的なサービス不足となっています。現在、日本医師会の障害福祉サービス等報酬改定検討チームでの議論で、新年度の報酬改定において、動ける医療的ケア児の通所支援や医療型短期入所の整備促進のために、医療的ケア児(者)の明確な位置付けや報酬の引き上げや各種加算、医療的ケア児判定スコアの見直しについて意見が出されています。

 

〇区として、医療的ケア児の実態・ニーズ把握に基づいて、東京都や国に対しても支援の拡充を求めていくべきです。見解を伺います。

 

答弁:これまでも医療的ケア児等受け入れ施設に対する報酬の見直しや施設運営のための補助制度の充実などを東京都や国に求めてきた。今後も医療的ケア児の実態やニーズ把握に努め、必要に応じて東京都や国へ支援の拡充を求めていく。

 

〇最後に、重症心身障害児(者)在宅レスパイト事業について伺います。今回、区として独自の拡充に至ったことは、当事者からも歓迎の声が寄せられています。先に触れた計画素案では、当事業においては、「今後はさらに利用者の声を反映した施策展開を図っていくべき」と記しています。今週24日の都議会厚生委員会の質疑で東京都は、「各自治体からの声があれば柔軟に対応していきたい」と答弁しました。やはり、区としての実態を伝えていくことが重要です。来年度以降、利用回数制限の見直しや上限時間の拡充について東京都へも働きかけると同時に、区としても今回の対応のような実態に即した対応・拡充が必要と考えます。見解を伺い、この項の質問を終わります。

 

答弁:今後も利用者の声や利用状況、感染の状況を注視しながら、引き続き、必要な支援について区として検討するとともに、東京都にも意見をあげていきたい。

 

コメント

 重症心身障害児(者)の在宅レスパイト事業について、10月から、区独自で上限時間の拡充を図ったことは、当事者の実態に照らして大きな前進です。しかし、今年度限りとしているため、来年度以降も実態に即した対応が必要です。この問題は東京都の補助事業でもあることから、都議団とも連携し、11月24日の都議会厚生委員会で藤田都議も質疑をおこないました。今回、中野区が東京都にも意見をあげていきたいとしたことは重要です。計画の充実とともに、具体的施策の前進のために、引き続き、取り組んでいきます。

2016年以前の記事は旧・ホームページでご覧ください。