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みんなの問題として

 私自身、生活保護行政の改善・拡充について、こだわって、区議会で取り上げています。その理由は、大きく2つあります。

 

一つは、困難を抱えた方への行政の姿勢は、住民全体の姿勢へ繋がること。

二つは、生活保護の基準は、最低賃金・保育料・介護保険料・年金など、多くの制度と連動しています。そのため、生活保護の基準が引き下がれば、あなたが利用している制度の個人負担が増えたり、今まで利用していた制度が利用できなくなる可能性があること。

 

 そのため、「みんなの問題」として取り組んできました。

 表は、中野区の生活援護課が窓口となった相談件数、その中から生活保護の申請・決定に至った件数、扶養照会の実施件数など、中野区のこの4年間の実績です。相談数および生活保護の申請数は、コロナ感染が拡がった2020年度に、前年度から約20%増加しました。2021年度にやや減少したものの、2022年度は2020年度とほぼ同数で高止まりしています。それだけ、生活苦が続いている状況がみてとれます。

 

 中野区では、「生活保護の申請は権利です」というポスターを2年連続で作成し、区役所をはじめ、各区有施設などにも掲示しています。制度の周知は非常に大事なことです。引き続き、さらなる工夫も求めていきたいと思います。

 

 一方で、扶養照会(福祉事務所が生活保護申請者の親族に対し、援助できないかを確認すること)についても、繰り返し、取り上げてきました。中野区では、従来から強引な照会はおこなわないよう取り組まれてきましたが、扶養照会実施率が年々下がっていることは、とても大切なことです。福祉事務所にとって、扶養照会は大きな事務負担になっています。何より、生活保護の申請者にとっては、申請をためらう大きな理由になっています。加えて、実際、金銭的支援に繋がる件数は、ごく稀であり、誰にとっても有益なことはありません。国の判断として、扶養照会は廃止すべきです。

 

 昨年の記事ですが、扶養照会に関する東京新聞の記事を共有いたします。

生活保護申請の際に自治体が親類らに問い合わせる「扶養照会」 実は金銭的援助につながらず