中野区議会定例会は、昨日、21時過ぎに閉会しました。議案として提出された「中野区基本構想について」の審査で二転三転。最終的には本会議採決にて、賛成21=立憲9・共産6・無所属6(むとう・近藤・いながき・石坂・小宮山・立石区議)、反対20=自民8・公明8・都ファ2・無所属2(竹村・吉田区議)で、可決しました。日本共産党議員団を代表して、おこなった賛成討論を下記に掲載致します。
第13号議案「中野区基本構想」賛成討論
2021/3/23 浦野さとみ
上程中の第13号議案「中野区基本構想について」に対し、日本共産党議員団を代表して賛成討論をおこないます。
中野区基本構想は、区政運営を進めるうえで、最も基本的な指針となるものです。中野区では、「ともにつくる人間のまち中野」の考え方を基本理念として、40年前の1981年(昭和56年)1月に初めて制定されました。その後、前区政時代に抜本的な行財政改革の取り組みが示され、16年前の2005年度(平成17年度)を初年度とした、新たな基本構想が制定され、5年が経過した2010年度(平成22年度)と2016年度(平成28年度)に改定されてきました。今回、酒井区政のもとでは、初めての制定となります。
区は、「より広範な区民の声を反映し、より区民が親しみと共感を持てる基本構想へ」と、2018年10月に基本構想の改定方針が作成され検討を開始。その後、中野区基本構想審議会や職員プロジェクトチームが設置され、また、無作為抽出での区民アンケート、区民と区長のタウンミーティング、区民と職員のワークショップなどが実施されてきました。その後、審議会答申を受け、基本構想の改定に係る検討骨子、検討素案が議会に示されました。より丁寧な取り組みを重ねてきたと考えます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を踏まえ、検討スケジュールが見直され、今定例会に議案として提案されました。以下、賛成の主な理由を2点、述べます。
一点目は、「誰一人取り残されることのない安心できる地域社会を築きます」とし、すべての人の人権と、あらゆる生き方、個性や価値観を尊重すると述べている点です。「国籍や文化、年齢、障害、性別、性自認や性的指向などにかかわらず、誰もが地域の一員として暮ら(す)」せるため、今後、この理念を区のすべての施策に活かすこと、実践することを要望致します。また、誰一人取り残されることのない支援体制の構築へ、「生活再建」の視点での多面的な施策展開を求めます。
二点目は、「未来ある子どもの育ちを地域全体で支えるまち」として、子どもの命と権利を守ることに触れている点です。その上では、現在、審議会で議論が重ねられている「子どもの権利擁護に係る条例」の検討は非常に大切です。子ども自身の声をどう反映させていくのか、いま、まさに議論がされていますが、審議会答申後においても、区として、その立場で積極的な議論が展開されることを強く、要望致します。
一点、まちづくりのあり方について、述べます。まちづくり自体はとても大切なことですが、どのような中野をつくっていくのかは、住民合意を大前提としながら、区民とともにすすめていくことが重要です。同時に、コロナ禍のもと、これまでの社会のあり方、今後の社会のあり方自身が大きく問われており、その視点を十分に踏まえることを求めます。
基本構想の最後で触れられている「区民に信頼される対話と参加」については、理念だけにとどまらず、どう実践していくかが重要です。また、この基本構想は、行政一人ひとりの職員はもちろん、全区民とともに共有していくという行政の姿勢が求められています。コロナ禍で、多くの区民の方々が不安を抱えながら生活しています。いまこそ、行政が「公助」の役割を発揮し、区民に対しても、そうした区の姿勢をあらゆる場面・媒体を通じて伝えながら、その役割を果たすことを求め、本議案に対する賛成討論と致します。