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自治体としての姿勢

 6月2日・3日におこなわれた中野区議会総務委員会に【新型コロナウイルス感染症に係る対策及び当面の区政運営について(資料はこちら)】と【令和2年度予算執行について(資料はこちら)】が報告されました。今後の区政運営を大きく左右する考え方であり、先日の本会議一般質問において質した、区長の政治姿勢や財政運営の考え方にも関連をしますので、あわせてご報告致します。

 

-区の収入が減ることは避けらない課題。しかし、区民生活に欠かせないものは着実に大胆に

 いま、起こっている新型コロナウイルス感染症の経済面での影響はリーマンショック時以上になるとも言われています。当然、区の歳入(区民の方に納めていただく税金、東京都や国からの補助金など)は、今年度も来年度以降も減ることは間違いありません。そのため、中野区の今後の財政運営をどう判断していくか、このことはとても重要なことです。今年度に予算化したものであっても、不要不急の事業や見直すべきものは見直すことも必要になります。同時に、今年度予算化した重要施策の中で、区民生活にとって欠かせないものは着実に実施すること、また、今後、区民生活を守るための大胆な更なる補正予算なども同じく重要と考えます。

 

-まちづくり全体は再考を。ジェンダー平等の視点も欠かせない-

 私たち、日本共産党区議団は、例えば、現体育館の解体時期の延期、それに伴う、区役所整備などの時期は再検討をすべきと考えます。また、同じく一般質問でいさ区議が取り上げたように、今後の中野駅周辺を中心としたまちづくり全体も、一旦、立ち止まり再考することが必要と考えます。しかし、まちづくりについては基本的には現在の計画通りに進めていくとの答弁があったことは、見過ごせません。

 

 一方、例えば、昨年にアンケートを実施し新年度の施策具体化へ踏み出す子どもの貧困対策における検討や自然災害に備えた木造住宅耐震改修助成、避難所の充実、洪水ハザードマップ作成は確実に進めるべきです。また、新型コロナウイルス感染症の対策をすすめる上で、ジェンダー平等の視点を貫くことも非常に大事であると考えます。

 

 パンデミックのもと、ジェンダー差別が深刻となる事態が起こっています。総務省が5月29日に発表した4月の「労働力調査」によると、非正規雇用の労働者は前年の同月比で97万人減少し、比較可能な2014年以降で最大の下げ幅を記録しました。また、その7割以上にあたる71万人が女性です。そもそも、低賃金で不安定雇用の非正規労働者の3人に2人は女性です。今回のような経済危機のもとでは、真っ先にこうした非正規労働の方が切り捨ての対象となります。また、学校の休校に伴って仕事を休んで子どもたちの面倒をみたり、高齢家族の感染防止のケアや介護を担ったりしているのも、多くの場合が女性です。さらには、外出自粛と生活不安のストレスが、家庭内でのDVや虐待の危険を高めています。

 

 国連女性機関は、各国政府に対し、「コロナ対策が女性を取り残していないか」と問いかけ、「ジェンダーの視点にたった対策は女性のみならず、社会のすべての構成員に良い結果をもたらす」と強調しました。区長に対し、「新型コロナウイルス対策をすすめる上で、ジェンダー平等の視点で一つ一つの課題を解決していくことに力を尽くしていくことが重要と考えるが、区長の見解は」と質したところ、「対策を進める上で大事な視点である」との答弁があったことは、非常に重要であると考えます。

 

-かつて、財政非常事態宣言があったが・・-

 今回の委員会で報告された2つの資料は、平成20年に発生したリーマンショック以降、平成22年度予算において区の一般財源が約54億円の減収になったことに触れられています。それをもとに、現在の中野区の財政規模にあてはめ、リーマンショック時以上になることを想定し、単年度あたりで100億円以上の収入減を想定した対応が必要と記されています。さらに、【令和2年度予算の執行について】の資料の一番最後に参考資料として、令和3年度以降の一般財源推移のグラフも示されています。冒頭に述べた通り、収入が減ることは避けられないと考えます。しかし、このグラフは非常に誤解を生むのではないか、「財政がとにかく厳しい。だから、区民の皆さん、様々な削減や見直しは我慢して下さい」と言わんばかりになっているように思えてなりません。

 

 前区長時代、リーマンショック後に中野区は【財政非常事態宣言】をおこない、大幅な人員削減や様々な事業見直しをおこないました。しかし、当時、繰り返し指摘をしましたが、本当に財政非常事態だったのか。例えば、当時の資料(平成24年度の当初予算の概要)をみると、「平成28年には財政調整基金の年度間調整分がほぼ底をつくことになります」と記されています。

※財政調整基金とは、年度間の財源不足に備えるため財源に余裕がある年に積み立てて、財源が不足する年度に活用するための基金。非常時に備えておく貯金。

 

 さらに、この年度の予算では、財政調整基金から活用するお金は57億円と見込んでいました。しかし、決算ではどうだったか・・。実際には、10億円の活用で済みました。その後の平成25年度も予算の段階では財政調整基金からの繰り入れが当初予算額で約40億円と見込みましたが決算では同じく10億円、平成26年度に至っては当初予算で19億5千万円の繰り入れ予定に対し、決算ではなんと0(ゼロ)円ということになりました。財政調整基金は底をつくどころか、年々増え続けていきました。なお、平成28年度には底をつくとされた財政調整基金は、平成28年度決算で約289億円まで増えました。

 

 つまり、財政が大変大変だ、だから区民サービスの削減は仕方いないとしながら実際は違っていたわけです。今回、示された資料も当時のような、財政が大変になるということだけが強調されているのではないか。リーマンショック時を参考に今後の見通しを示すのではあれば、実際に決算がどうだったのか、財政調整基金はどう推移したのかなども含めて示すべきであり、そうした事実に基づいて、今後の財政運営を考えることが何よりも大切ではないか。このことを委員会の中でも、強く指摘しました。

 

 今回、示されている見直しや中止による削減効果額の合計は約9億円程です。本当に見直すのであれば、冒頭に述べたように、現体育館の解体時期を延期する、区役所整備時期を後ろにする、まちづくり全体を見直すことが必要ではないでしょうか。

 

-区民生活はさらに大変に-

 リーマンショック以上に大変になるということは、区民生活はなおのこと大変さを増すことになります。4月の有効求人倍率は1.32倍と急落し、求人数は過去最大のマイナス幅となりました。また、完全失業率は、3月・4月と2カ月連続で悪化しています。そのことも反映して、中野区での生活保護の申請件数も、4月は92人、5月は96人と、それぞれ前年同月比で1.44倍に増加しています。また、住居確保給付金の申請数は、4月・5月の2か月で675人となりました。要件の拡大がされたので単純比較はできませんが、これまでは1か月に2~3人だった申請数と比べ圧倒的に多い人数となっています。

 

 昨年の秋以降、消費税10%増税で重くのしかかる負担に加えて、今回のコロナ問題と、区民生活が困難さを増していることは明らかです。こうした中、今月中には、住民税や国民健康保険料の納付通知が区民の方々へ送付されることになります。リーマンショック時以上に大変になるということは、リーマンショック時以上に区民生活を支える支援こそ、必要です。4月に示された総務委員会資料には、「特別区民税や国民健康保険料などについては、計画的な徴収に一層努める」との記載がありました。しかし、こうしたいまこそ、生活再建の視点での支援の議論を深めていくことが重要です。今議会定例会の初日に示された補正予算(第3次)に続き、明後日の最終日にも補正予算(第4次)が区から提案される予定ですが、これに留まらない支援が求められます。引き続き、その立場で取り組んでいきます。

 

最後に。

-今後の生活のあり方、新自由主義の破綻は明らか-

 新型コロナウイルス感染症の問題は、人類の歴史の中でも最も深刻なパンデミックの1つです。もちろん、中野区だけで解決できる問題ではありませんが、区民にとって一番身近な自治体である中野区自身の姿勢、区民のいのちと健康、そして、区民のくらしを絶対に守るという姿勢で区政運営にあたることが何よりも重要と考えます。同時に、現在の状況は、私たち一人ひとりの今後の生活のあり方、政治と社会のあり方自身を様々な面から問い直すことが突きつけられていると考えます。加えて、すべてを市場原理にまかせて、資本の利潤を最大化していこう、あらゆるものを民営化していこうという新自由主義の破綻が明らかになったということも言えるのではないでしょうか。

 

 例えば、雇用の面をみても、労働法制の規制緩和を続けたてきた矛盾が、いまのコロナ危機のもとで、派遣やパートで働く人々の雇い止めという形で噴き出しています。「4月からはもう来なくて良いと言われた」「自宅待機中に会社から連絡があり、辞表を出すように言われた」などの相談が相次いでいますが、その多くの方が派遣や非正規で働いていた方です。パンデミックのもとで、そのことがより顕在化しています。

 

 環境の面でも、今回の新型コロナウイルス感染症の一つの背景として、人間による無秩序な生態系への侵入、環境破壊、これらによって動物と人間の距離が縮まって、それまで動物がもっていたウイルスが人間にうつってくる―。地球温暖化によって住む場所を奪われた動物が人間と接触する―。多くの専門家が、こういう問題を指摘しています。

 

 医療体制の面でも、構造改革のもと、医療費削減政策が続けられ、急性期のベッドを減らしていく、公立・公的病院を統廃合していく、保健所も削減され続け、感染症対策を含めた公衆衛生行政がどんどんと住民から遠ざけられてきました。こうしたやり方によって、日常的に医療の逼迫した状況をつくってしまったことが、今回のような危機に対して、非常に脆弱な状態をつくりだしています。PCR検査の体制が十分に確保できないことも、このことが起因しています。今後、第二波、第三波が指摘される中、医療崩壊をおこさないための対策が急務です。

2016年以前の記事は旧・ホームページでご覧ください。