4回目(最終回)は現在の支援制度における改善や拡充などについてです。1人10万円の給付金について、現在ある制度をいかに活用していただくかの視点で質問をしました。(赤字部分が答弁です。なお、答弁は私のメモによるものなので、言い回しなどは若干異なる部分はありますが、主旨は概ねこの内容です)。本会議質問の冒頭で取り上げた区長の政治姿勢や財政運営の考え方については、8日・9日とおこなわれた総務委員会での質疑にも関連するため、委員会報告の中であわせてご報告したいと思います。
支援制度の改善・拡充などについて伺います。
「自分はいま、どの制度を使うことができるのか」「どのように申請をするのか」「必要書類が複雑でわかりにくい」などの声がよく寄せられます。ご高齢の方や普段、インターネットに接することが少ない方にとっては、電子申請そのものが大きなハードルとなります。中には申請に必要な書類のコピーをとること自体が大変な方もいます。そのことで、申請をあきらめてしまう方もいます。そうした実態に寄り添い、いまある制度はもれなく活用していただくための手立て、支援が必要です。
〇各制度の連絡先すべてに、連絡をしていては途方に暮れてしまいます。その方の状況を伺う中で、該当する制度を案内する「制度案内のワンストップコールセンター」を設置することが有効と考えます。見解を伺います。
→多々ある支援制度について、コンシェルジュ的なワンストップの仕組みがあれば非常に有効であることは理解しているが、現時点で設置することは難しいと考えている。今後、よくあるお問い合わせのFAQを作成し、ホームページに掲載するなど、必要な情報を案内できるよう努めていく。
〇中野区では、区民の皆さんへ、事業者の皆さんへと題した支援制度一覧を作成しました。これ自体は大変、評価します。最新号の区報にも一部、掲載されましたが、更なる周知・広報が必要です。再開予定の区民活動センターなどの各区有施設でも区民の方がこうした支援制度一覧を手にすることができるようにすべきです。伺います。
→ホームページやSNS、デジタルツールの利用が困難な方への情報伝達が大きな課題であると認識している。緊急事態宣言の解除に伴い、今後、区有施設は順次、再開を予定しているため、区民活動センターなど区有施設に支援制度の一覧を配備し、その周知にも努めていきたい。
中野区内では、1人10万円の特別定額給付金の申請と給付が、5月中に始まりました。23区内でも早い段階で申請書送付、給付開始をするために尽力された職員の皆さんに感謝申し上げます。しかし、申請書の返送が続々とおこなわれている中で、不備書類が非常に多いと伺っています。記入漏れとともに、申請に必要な2種類の書類コピーが添付されていないケースが多いとのことです。その要因の1つには、申請書裏面に必要書類の添付欄がありますが、その面の一番上に「代理申請の場合」という文言があるために、代理人申請の場合にのみ必要書類を添付すればよいと判断された方が多いのではないでしょうか。また、別紙の案内文に添付書類の必要性についての記載はありますが、特に目立つ工夫がされていないため、見落とされやすいと感じます。
〇行政が区民の方々に案内する文書は、いかにわかりやすくシンプルにするかがとても重要です。特別定額給付金申請書はすでに送付済みのため、これを改善することは困難ですが、今後、行政が区民向けに出す文書においては、今回の教訓を踏まえた改善が必要です。答弁を求めます。
→今回の特別定額給付金の申請における添付書類や記入の誤りについては、案内文や記載例の工夫などの配慮によって、不備を減らすことができる点があったと考えており、そのことは区の文書全般に通じる課題と捉えている。今年度から区が作成するチラシや通知文などについて事前のクリニックを開始したところであり、区民目線に立った情報発信ができるよう、職員の広報マインドを醸成していきたい。
また、「書類の添付を忘れてしまったが、この場合はどうすればよいのか」「運転免許証を身分証明の書類として添付したいが最新の住所は裏面に記載されているので、裏面のコピーも必要か」などの問い合わせも非常に多く寄せられています。こうした声は、区のコールセンターにも多いと伺います。他の自治体では、よくある質問をQ&A方式でホームページに掲載しているところもあります。先程、介護現場への支援でも求めましたが、こうした一定、回答が個別の事情に左右されない統一した見解については、積極的に発信すべきです。
〇中野区のホームページなどにおいて、この点を改善すべきです。また、今後、区報などの媒体を通じての更なる発信とともに、感染防止対策を十分に講じた上で、地域事務所などで記入の支援をおこなうことも検討すべきです。あわせて、答弁を求めます。
→ホームページトップに相談チャットがあり、特別定額給付金についてもよくある質問を掲載している。今後、この内容を随時、更新し、よくある問い合わせや商社の説明が必要な事項については、特別定額給付金のページにも直接掲載するなど、改善に努めていく。
生活保護受給者が申請する場合の添付書類、意思確認方法について1点伺います。健康保険証がないため、その他のものが身分証となりますが、中には介護保険証や運転免許証、マイナンバーや身体障害者手帳など、何も持っていない方もいます。その場合は、生活保護受給者証明書がその方の添付書類となりますが、この証明書を手にするには、当事者が区へ連絡し、その上で区が発行し、それを当事者へ郵送し、その上でご本人が添付して申請する流れとなっています。足立区などでは、生活保護受給証明書でも可能ですが、あらためて取得する必要はないとし、生活保護決定通知書や公共料金の領収書の写し等を本人確認書類として添付することが可能となっています。また、熊本市では、高齢や障害といった事情で記入が難しい方も多いため、担当ケースワーカーを通じて電話で給付希望の確認ができれば本人申請とみなし支給をおこなっています。
〇生活保護受給者の世帯構成員や振込先口座については、すでに区が把握しています。今後、申請される方については添付書類の簡素化など、改善を検討すべきです。見解を伺います。
→生活保護受給証明書の発行には時間を要することは認識しており、区から送付される保護開始決定通知書や保護変更決定通知書、一時扶助決定通知書についても、本人確認の書類として取り扱うこととした。
〇視覚障害者への配慮については、給付金自体の情報が十分に届かない、申請書が届いても申請方法がわからない方を想定し、4月30日付、5月19日付で総務省から事務連絡通知が届いていると思いますが、現時点では、中野区では特段の手立てがとられていません。今後、申請状況をみながら、視覚障害者への配慮をおこなうべきです。伺います。
→給付金の概要や申請方法などの情報を読み上げる音声コードを印刷したチラシなどを用いて情報提供するなど、関係団体や事業所などとも連携し取り組んでいく。
〇定額給付金の申請期限は、中野区では8月18日となっています。申請書自体が他の書類などと一緒になり申請書に気がついていない方、お一人暮らしの方、障害者、高齢者などで、申請になんらかの支援が必要な方も多いと想定されます。また、避難されているDV被害者への申請仕組みはあるものの、加害者と同居中などの理由で、自治体自身がその状況を把握できていないケースも少なくないと想定されます。こうした方々への配慮、申請期限についても柔軟な対応が必要と考えます。答弁を求めます。
→障害者や高齢者などの申請支援について、すこやか福祉センターや区民活動センターなどと連携しすすめていく。また、一定段階で申請の勧奨文書を発送することを考えている。申請期限の延長はできないが、期限内に必要な方すべてが申請できるよう、広報や支援の強化について全庁的に取り組んでいく。
〇最後に、庁内の体制、部署をまたいでの支援について伺います。5月の補正予算において、国保や税の窓口の人員増が盛り込まれましたが、全庁的に区民対応が必要な部署とそうでない部署の間で、業務量などにもかなりの差が出てきているのではないでしょうか。生活援護課などは、相談件数も相当多くなっています。職員課が各職場の実態調査などをおこない、全庁的な把握の上で、業務の改善、特に区民対応が集中する職場への支援を早急におこなうべきです。答弁を求め、すべての質問を終わります。
→各種の相談や申請などの件数の増加、新規事業への対応など、業務量が増加している部署がある一方で、比較的影響の少ない部署もある。それぞれの課や部の中での応援体制では対応できない場合は、区民サービスの低下を招くことがないよう、全庁的な連携や協力によって、兼務体制を組むなど柔軟に対応していきたい。