

先日の本会議一般質問に対する答弁を3回にわけて共有いたします。最後は、障害福祉について(働く人の権利・放課後等デイサービスと18歳以上の居場所や支援)と会計年度任用職員の再度任用についてです。なお、答弁は生中継時からの文字起こしと書き取りによるものであり、正式な議事録は、1〜2か月後となります。
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3、障害福祉について(6問)
(1)働く人の権利について(2問)
障害者基本法では、障害者の自立・社会参加の支援等の施策を推進することを目的に、基本原則を定め、国・地方公共団体・事業者・市民の責務を明らかにしています。あわせて、障害を理由とした差別を明確に禁止しています。
中野区には、障害者の「働く」「暮らす」「活きる」をサポートする一般社団法人中野区障害者福祉事業団(通称ニコニコ事業団)があります。1987年2月に発足し、2016年4月一般社団法人化されました。障害者の就労支援や自立のための支援をはじめ、区役所内の福祉売店の運営などもおこなっています。また、障害者の自主的な活動をサポートするための中野区障害者社会活動センター(通称スマイル中野)5階の管理運営業務を年間604万余の委託費で担っています。主な業務内容は、会議室等の貸出し業務です。
今年1月末現在、8名の管理員が3つの時間枠で交代制勤務をおこなっています。当然ながら、ニコニコ事業団と管理員の間には雇用契約が生じますが、これまで雇用契約書は存在せず、時給や任用期間などごく限られたものしか記していない発令通知書により勤務がおこなわれていました。また、本来は認められる有給休暇についても示されず、就業規則もありませんでした。昨年から約一年間、話し合いを重ねる中で、今年度からは2年遡っての有給休暇が付与され、昨年10月からは雇用契約書や就業規則も示され、一定の改善が図られてきました。しかし、これは働いている方の声と行動があったからこそ改善された側面もあり、障害者の「働く」「暮らす」「活きる」をサポートする場でこうした状況が長年続いていたことは、障害者基本法の理念に照らしても、とても残念でなりません。
また、勤務時間のあり方については未だ改善がされていません。勤務枠はA勤が午前9時から午後1時、B勤が午後1時から5時、C勤が午後5時から夜10時となっています。例えば、9時から勤務が始まるA勤者の業務内容は、2019年8月に改訂された業務マニュアルに、9時以前におこなうべき業務が8つも記されています。そのため、実際にはA勤者が9時前に業務を開始していたにも関わらず、その部分の賃金は支払われていません。B勤やC勤についても同様です。本来は、業務内容を考慮した勤務時間が設定されるべきであり賃金は支払われるべきです。
(浦野)本事業の委託元である中野区として、障害者基本法や労働基準法に照らして、これまでの経過、現在の状況をどのように捉えているか伺います。
(健康福祉部長)区は、中野区公契約条例において、受注者に対して、公契約であることを認識し、法令を遵守するとともに労働者等にかかわる労働条件を適正なものとするよう努めるよう求めており、雇用契約書等については公契約条例の趣旨をふまえて、適切に改善されてきたものと考えている。
中野区の公契約条例に照らした時、本委託業務は対象となる予定価格には含まれていません。また、公契約条例適用の指定管理協定の中に、中野区社会福祉会館の管理運営業務に関する基本協定が含まれていますが、当該委託契約は含まないとのことです。しかし、公契約条例の第1条・目的に記されている「~契約等の適正化、労働者等に係る適正な労働条件の確保並びに公契約の適正な履行~」や、第3条・基本方針の(3)では「受注者において労働者等について適正な労働条件を確保させること」がうたわれています。また、第5条・受注者の責務などに照らせば、委託金額にかかわらず守られるべきものではないでしょうか。委託すれば、あとは委託事業者まかせというのもおかしいことです。
(浦野)公契約条例と照らし、勤務時間のあり方や未払いの賃金に関して、改善が急がれます。見解を伺います。あわせて、この業務委託契約だけにかかわらず、区の様々な委託業務や指定管理などにおいて契約課がイニシアチブをとりながら、他の部署にも公契約条例の理念や内容を周知し、各部署にそうした意識を醸成することが大切ではないでしょうか。答弁を求めます。
(健康福祉部長)管理人の勤務時間については、障害者福祉事業団から、今年4月から管理人の勤務時間の一部変更をおこなうこと検討している旨を聞いており、今後とも公契約条例の趣旨をふまえて適切に対応するよう求めていく。
(総務部長)委託業務や指定管理業務において、労働者の労働条件が適正に確保されるよう公契約条例の理念等の庁内周知を徹底していく。
(2)放課後等デイサービスと18歳以上の居場所や支援などについて(4問)
放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づく福祉サービスの一つで、就学している支援が必要な小学生から高校生を対象とした通所支援サービスです。主に、授業終了後や学校休業日に生活能力向上のための支援や交流促進、保護者支援などを担っています。
(浦野)国が定めるガイドラインでは、放課後等デイサービスと学校との連携が重要視されています。同時に、保護者との連携・状況の共有も欠かせません。現在、区内の放課後等デイサービスを利用する子どもたちについて、「学校と放課後等デイサービス」「保護者と放課後等デイサービス」とそれぞれの連携・情報の共有はどのようにおこなわれているのか伺います。
(健康福祉部長)学校と放課後等デイサービス事業所においては、子どもの支援内容や環境の変化などを共有するため、事業所が学校行事を見学することなどによって、子どもの状況を把握するとともに保護者の同意を得た上で、教育・福祉・子育てに関する支援機関が集まり、子どもの様子や支援に関する情報交換をおこなうなど連携を図っている。また、保護者と放課後等デイサービス事業所については、各事業所において定期的な個別面談のほか、保護者間の懇談の場や療育について学ぶ機会を設けるなどの取り組みをおこなっている。
放課後等デイサービスの利用は、原則、高校卒業までとされているため、それ以降においては総合支援法に基づき他のサービスを利用することになります。多くの方は、特別支援学校卒業後は、午後6時頃まで利用できる放課後等デイサービスが利用できなくなり、生活介護や就労継続支援B型などのサービスに移行します。
しかし、午後3時頃に終了するため、保護者にとっては自らの就労とも大きくかかわり、保護者の多くは放課後等デイサービスと同等のサービス継続を強く求めています。障害のある青年・成人の生活や余暇をどう支援していくかが問われています。休養も当然、必要です。また、高齢の保護者にとっては、自らが病気などで支援の主体を担えなくなった場合などの心配は尽きません。兄弟(姉妹)への支援も必要です。これらを保護者・ご家族任せにしない仕組みづくりが必要です。江古田三丁目に整備される地域生活支援の多機能拠点の完成が待望されていますが、この完成によりすべての課題が解決するわけではありません。
(浦野)区は、18歳以上の障害のある青年・成人の居場所、夕方支援について、現段階でどのような実態把握・検討をされているのでしょうか。東京都の包括補助を活用しての居場所支援も検討が必要ではないでしょうか。伺います。
(健康福祉部長)夕方支援については、利用者や保護者ニーズの把握、障害者通所施設との意見交換や協議を重ねた上で運営方法や実施場所などの体制整備の検討を進めていく必要がある。現在、事業実施にあたっての需要調査や課題把握を進めているところであり、この調査結果を踏まえ、今後、財源確保を含めたさらなる検討を進めていく。
(浦野)また、移動支援、宿泊型自立訓練やグループホームなどの居住系サービスなども選択肢を少しでも広げる努力が必要です。答弁を求めます。
(健康福祉部長)区では、障害福祉サービスの実施にあたり、利用者に対して障害福祉サービス意向調査を実施した上で障害福祉計画において必要な事業およびサービス見込み量を算定している。今後も、障害福祉サービスの実施にあたっては、サービス利用者や障害者団体などからの意見を踏まえながら、必要な見直しや充実・整備に向けた取り組みを進めていく。
(浦野)障害者の就労については、福祉サービスの意向調査において「健康状態にあわせた働き方」「自分の障害にあった仕事がある」ことを求める声が上位を占めています。また、区内の障害者就労継続支援B型事業所の平均工賃月額は約1万7千円で推移していますが、更なる工賃の向上も必要です。見解を伺い、この項の質問を終わります。
(健康福祉部長)区は、障害者の自立した生活を支えるため、工賃水準の向上を図る必要があると考えており、これまで障害者就労施設が安定的に仕事を確保することができるよう共同受注促進事業や自主生産品等の販売会の実施を推進してきた。今後は、こうした取り組みに加えて、新たな自主生産品の開発や受注機会の拡大を進めていきたい。
4、その他
(1)会計年度任用職員の再度任用について(1問)
昨年6月末、総務省において会計年度任用職員に関する事務マニュアルの改正がおこなわれ、勤務実績に基づきながら公募によらず再度の任用を行うことができる回数上限の廃止がされました。取り扱いについては、各自治体の判断となり、他の自治体で見直しが図られています。再度任用に制限がある不安定な勤務を続けることは、働く方にとって不安が多くあります。同時に、中野区でも多くの会計年度任用職員が業務を担い、専門的な知識や技術・知見を有する方もおり、採用する区にとっても人材確保の観点で課題があります。
(浦野)会計年度任用職員の再度任用の制限廃止については、昨年の第3回定例会の総務委員会において、中野区での検討を求めましたが、先程述べた課題解決のためにも、早く結論を出していただきたいと思います。見解を伺い、すべての質問を終わります。
(総務部長)区では、総務省が示す地方公共団体向け会計年度任用職員に関する事務マニュアルを踏まえ、専門的な資格や知識、経験等を要する専門職の会計年度任用職員については公募によらない再度任用の上限回数を原則2回として運用をおこなってきたところである。このたび、総務省の事務マニュアルの改正を受け、安定的な人材確保の観点から検討をおこない、令和7年度に任用する会計年度任用職員から公募によらない再度任用の上限回数を撤廃することとした。