自民党・公明党による議員の発言権の侵害について(声明)
2024年7月2日
中野区議会日本共産党議員団
中野区議会では、自民党・公明党が、6月13日の日本共産党の羽鳥だいすけ区議の本会議一般質問での発言について、「不穏当」「事実誤認」「秩序を乱す」などと主張し、取り消し(議事録からの削除)を求めています。自民党・公明党が取り消しを求めている羽鳥だいすけ区議の発言は、「これまで、自民・公明政権によって、日本国憲法に反する数々の悪法が成立されてきましたが、今回の地方自治法改正案は、国と地方自治体の関係を根底から覆すものです。」の一文です。
羽鳥だいすけ区議は、削除の求めに応じず、また、議長は、当該の発言は「地方自治法第132条(品位の保持) 議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない」にはあたらず、議員の発言の自由を尊重する立場から議長権限での削除はしない旨の判断をしました。しかし、自民党・公明党は、これを不服とし、議案や陳情などを議決する定例会最終日(6月28日)の議事が行えない状態となりました。そのため、中野区議会は、やむをえず、定例会最終日に、定例会の会期を7月2日まで延長することになりました。昨日まで、協議が断続的におこなわれてきましたが、最終的に自民党・公明党は、協議の場から退席しました。これらの協議は、区民が傍聴できない議会運営協議会の場で行われていました。
本日2日に予定されていた議会運営協議会は開かれず、また議会運営委員会や本会議の開会も大幅に遅れました。最終的に議決はされたものの、区立学校以外(私立や国立など)に通う児童・生徒がいる家庭への給食費相当額の支援、定額減税の実施をするための補正予算案などの重要な議案や陳情などの議決が行えない可能性があり、区政運営と区民生活に甚大な影響を及ぼすことになりかねませんでした。定例会は終わりましたが、自民党・公明党は今もなお当該発言の議事録からの削除を求め続けています。
発言の取り消し(議事録からの削除や修正)に応じない限り、審議に応じないという自民党・公明党の言動は、看過できるものではありません。42人の中野区議会議員それぞれに考えや意思があり、意見や見解に相違があるのは当然です。そのため、特定の発言に対し、異議や抗議の声を上げることはあり得ることです。しかし、自民党・公明党の言動は、民主主義を支える根本原則の一つである「議員の発言の自由」を侵害する重大なものです。私たちは、発言を取り消すならば、当該議員の発言の自由が奪われるだけでなく、将来にわたるすべての中野区議会議員の発言の自由が奪われ、中野の民主主義が損なわれると考えます。
私たち中野区議会日本共産党議員団は、中野の民主主義を守り発展させ、住民に開かれた中野区議会を実現するために全力を尽くします。