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本会議答弁④(全4回)

 先日の本会議質問に対する区の答弁について、4回にわけてご報告いたします。正式な議事録は、1カ月以上先となるため、録音をもとに文字起こししたものを要旨として記載しています。言い回しなどは若干異なりますが、答弁要旨としてご了解いただければと思います。4回目の最終回は、【葬祭費および入院時負担軽減支援について、および、差額ベッド代に関する周知について】です。赤字が答弁要旨です。

 

その他で2点、はじめに、(1)葬祭費および入院時負担軽減支援について伺います。

 葬祭費とは、国民健康保険(国保)や後期高齢者医療制度(後期高齢)の加入者が亡くなった際、葬祭をおこなった方に支給されるものです。国保の葬祭費は、相場などを踏まえ、23区で共通基準をつくり一律7万円です。後期高齢は、東京都の後期高齢者医療広域連合にて、国保に準ずるかたちで23区中22区が7万円で、7万円の内訳として、後期高齢者医療保険で5万円、各区が2万円を上乗せしていますが、中野区だけは上乗せをせず5万円です。他区と同様に、7万円にすることを検討すべきではないでしょうか。また、上乗せしない理由として、入院時負担軽減支援として2万円支給することで、生前に少しでも支援をする考えを述べています。

 しかし、この入院時負担軽減支援金は、世帯全員が住民税非課税の方のみが対象で、後期高齢加入者全員が対象にはなっていません。また、中野区では、31日以上の入院で一律2万円の支給ですが、例えば千代田区では、61日~90日は3万円、121日以上は5万円と、一律ではなく累計入院日数に応じた支給となっています。入院院時負担軽減支援についても、対象や支給内容の見直しが必要ではないでしょうか。あわせて、答弁を求めます。

後期高齢の葬祭費は東京都後期高齢者医療広域連合の給付事業であり、広域連合の条例に基づいて5万円としている。平成22年度からは広域連合からの受託授業収入を財源として支給している。区では、生前に支援する考えのもと、葬祭費に2万円と上乗せしないかわりに入院中の負担軽減を目的として同額の2万円を支援することとしている。葬祭費の増額や支援金には、区独自の財政負担を伴うことから、引き続き、現在の支給条件を継続していく。

 

最後に、(2)差額ベッド代に関する周知について伺います。

 差額ベッド代の正式名称は「特別療養環境室料」と呼ばれ、入院環境の向上を図り、患者さんの選択の機会を広げるものとして認められ、医療保険で支払う入院料とは別に、患者さんが負担するものです。①病室の病床数が4床以下であること、②病室面積が1人あたり6.4㎡以上であること、③病床のプライバシーを確保する設備があること、④特別の療養環境として適切な設備を有することが要件となっています。医療機関により様々ですが、1日あたり、4人部屋で2500円、個室で1万円前後など、決して、安い金額ではありません。

 本来、医療機関は、差額ベッド室に入院を希望する患者さんに対し、設備や構造、料金などを明確に丁寧に説明し、同意をとることが必要です。一方、「患者さん側から同意書による同意確認がない場合」「治療上、必要な場合」「大部屋が満床など、実質的に患者さん側の選択ではなく病棟管理の必要性などの場合」は、差額ベッド代を支払う必要はありませんが、医療機関側から同意書を求められるケースもあります。さらには、同意できないなら入院を拒んだり転院を求めたりするケースもあり、心身ともに弱っている患者さんやご家族は、不本意ながらも応じてしまうこともあります。不適切な対応はあってはならないことです。

 寄せられた相談の中では、「同意していないのに、1カ月で20万円近い差額ベッド代を請求された」という方もいました。そもそも、この差額ベッド代は「支払うもの・支払わなければいけないもの」と認識している方も多くいます。医師会などと連携しながら、区内の医療機関における正しい制度周知を検討すべきです。埼玉県のホームページには非常にわかりやすく記載されています(ホームページはこちらからご覧いただくことができます)。中野区のホームページにおいても、埼玉県を参考に、患者さん側が不利益とならないよう、掲載すべきではないでしょうか。あわせて答弁を求め、私のすべての質問を終わります。

厚生労働省の通知によれば、差額ベッドの利用は病院から患者に対して十分な情報提供をおこない、患者の自由な選択と同意に基づく必要があるとされている。ご指摘の取り扱いを正しく知ってもらえるよう、厚生労働省の通知やその概略などを参考情報として、区のホームページにも掲載していく。