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本会議答弁①(全4回)

 先日の本会議質問に対する区の答弁について、4回にわけてご報告いたします。正式な議事録は、1カ月以上先となるため、録音をもとに文字起こししたものを要旨として記載しています。言い回しなどは若干異なりますが、答弁要旨としてご了解いただければと思います。1回目は、【1、区長の政治姿勢と所信表明について】です。赤字が答弁要旨です。

 

 2024年第1回定例会・本会議において、日本共産党議員団を代表し、一般質問をおこないます。質問は通告通りです。元日に発生した能登半島地震において、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆さん、関係者の皆さんに、心からにお見舞いを申し上げます。また、悪化し続けるイスラエルによるパレスチナへの無差別攻撃・集団殺戮に対し、即時停戦を強く求めます。

 

1、区長の政治姿勢と所信表明について、はじめに、(1)防災対策について伺います。
 現在、中野区地域防災計画の第43次修正がおこなわれていますが、能登半島地震をふまえ、住民全体の防災への意識は非常に高まっています。これを機とした、積極的な取り組みを、新年度の事業として検討すべきではないでしょうか。見解を伺います。
令和6年度は、緊急避難や医療救護活動などに活用可能なエアーテントを試行導入し、災害時における有効性について検証するほか、防災情報や避難所等を掲載した防災普及啓発資料を全戸配布し、区民の防災意識の向上を図っていく。また、災害対策用物資の充実や防災に関する普及啓発など、積極的に防災対策を推進していく。

 

 新年度の主な取り組みの中で、非木造住宅の耐震改修等助成が盛り込まれたことは、これまで会派としても求め続けてきたものであり、評価致します。今回の能登半島地震でも建物倒壊や火災発生・延焼をいかに防いでいくかが重要であることが、あらためて浮き彫りとなりました。新年度に実施予定の非木造住宅の耐震改修等助成について、まずは制度の周知をひろげることが重要です。どのような取り組みを検討されているのか伺います。

非木造住宅の耐震診断助成は、令和4年度までの累計で52棟をおこなっているが、複数年かけてこれらの建築物に対して個別に具体的な補強設計費の助成額を示し、耐震改修などを促していくことで、令和7年度以降の実績に繋げていきたい。

 

 練馬区では、能登半島地震で古い木造住宅が多く倒壊したことを受け、木造密集地域にある1981年以前の古い耐震基準で建てられた住宅の耐震化を進めるため、助成を大幅拡充する方針が示されました。中野区での木造住宅耐震補強工事助成では、外壁などを耐火性にすることが条件に含まれることもあり、2021年度は7棟、2022年度は2棟と、実績は増えていません。区としては、木造住宅密集地域の耐火性向上により不燃化を促進していくために要件緩和は検討していないとのことですが、耐震補強も不燃化も促進していくために、現在、不燃化特区でおこなっている補助金のように、特別な支援メニューについて東京都に求めることも検討していくべきではないでしょうか。答弁を求めます。

老朽木造建築物については、建て替え除去助成を活用し、新たな建物を建築する方が建物の耐震化にあわせて不燃化も促進されるため、より災害に強い安全なまちづくりに繋がると考えている。区では、要件を満たす区内全域の木造住宅に対して建て替え等助成制度は設けているところだが、防災性及び安全性向上を加速させるため、不燃化特区以外の木造住宅密集地域等においても新たな支援策を創設するよう、国および東京都に要望している。

 

 区内には、25世帯に1本の割合で街頭消火器が設置されています。街頭消火器の格納箱の側面には、本来はその地域の避難所が明記されていますが、「文字の判読が難しい」「記載されていない」との声が寄せられました。中野区は、町会・自治会の各防災会に点検を依頼していますが、点検時のチェックリストには避難所がきちんと記されているかの項目は入っていません。現在、点検項目の見直しを検討中と伺っていますが、新年度以降の点検の際には、この点もチェックリストに加えるべきではないでしょうか。答弁を求めます。

街頭消化器格納箱に記載している避難所名が読み取りづらい場合には、格納箱の交換やシールの貼付等の対応をしている。点検チェックリストについても、現在、見直しを進めており、今後とも適切に維持管理ができるよう努めていく。

 

次に、(2)感染症対策について伺います。

 新型コロナウイルス感染症は、昨年5月8日に、感染症法上の位置づけが5類となりました。行動制限がなくなったことに伴い、地域の様々な行事も再開しました。各行事に参加させいただく中で、対面での対話や場を共有することの大切さを、あらためて実感しています。一方で、分類の位置づけが変更となったからと言って、ウイルスがなくなったわけではありません。直近では、新変異株「JN.1」が増え、感染力や免疫逃避能力が強いとされています。全国約5000か所の定点医療機関からの報告をみても事実上の第10波です。インフルエンザも増加しています。行動が再開しているからこそ、あらためて、マスク着用・換気・手洗いなどの基本的な感染対策について、行政としての積極的な発信や周知が必要です。見解を伺います。

基本的な感染防災対策は、新型コロナウイルス感染症のみならず、多くの感染症に有効であると考えており、機会を捉えて情報発信をおこなっている。昨年末かあら、新型コロナウイルス感染症の定点医療機関あたりの患者報告数に増加傾向がみられており、今後は、基本的な感染防止対策とともに、体調が悪いときは外出を控えることなど、適切な情報の周知に努めていく。

 

 昨年9月25日に各都道府県や特別区衛生主管部(局)宛の厚労省新型コロナ感染症対策本部による事務連絡では、同年10月以降の新型コロナ感染症に関する高齢者施設等における検査について、高齢者施設等で陽性者発生した場合の周囲の者への検査や従事者への集中的検査を地方自治体が実施する場合には、行政検査として取り扱う措置が示されています。集中的検査の基本的な考えとしては、重症化リスクが高い方が多く入院・入所する医療機関、高齢者施設、障害者施設における従事者の集中的検査は当面継続されています。現在の区の対応状況について伺います。

保健所は、新型コロナウイルス感染症に限らず、施設等で集団感染があった場合に感染拡大防止のために必要に応じて病原体検査を行政検査としておこなっている。東京都は、令和6年3月末まで新型コロナウイルス感染者を早期に発見し、感染拡大や集団感染を防止するため、高齢者施設や障害者施設の職員を対象に、集中的・定期的な検査を実施しており、区は各施設にこの制度への参加を推奨している。

 

 東京都は、これまで即応支援チームを高齢福祉施設などに派遣し、高齢者施設での感染防止の支援を継続してきました。中野区内では、これまでにどの程度の件数の支援を受け、どういった役割を果たしてきたのでしょうか。来年度以降、この体制が継続されるかは、現時点で未定となっていますが、東京都が継続しない場合においては、区がその役割を果たして欲しいと考えます。対応について、答弁を求めます。

東京都は、令和4年4月より高齢者障害者の入所施設の感染対策を支援するため、即応支援チームの派遣をおこない、感染症発生初期での対応強化を図ってきた。即応支援チームは、相談を受けてから24時間以内に施設を訪問し、基本的な感染対策のほか、施設の状況に応じた実地アドバイスをおこなうことで、施設の対応力の強化を図ってきたもので、区内では令和4年度に14件、令和5年度に12件の利用があった。即応支援チームの4月以降の存続は未定であるが、制度終了後は必要に応じて東京都を連携しながら、他の感染症と同様、区が直接施設に対する調査や支援を実施していきたい。

 

次に、(3)平和行政について伺います。

 所信表明では、区を取り巻く様々な情勢として、パレスチナ紛争により人道危機が深刻化していることやウクライナ侵攻も終息の目途がたっていないことが述べられました。その上で、中野区の「憲法擁護・非核都市宣言」などにふれ、「様々な機会を捉えて平和への意思を発信していく」との考えが示されました。姿勢として、評価いたします。一方で、先月、区内で実施された弾道ミサイル発射想定の訓練は、軍事衝突を前提とした訓練そのものが緊張を煽り戦争の危機を高めるものとし、昨年末に中止を求める申し入れをおこないました。戦争をしないための外交努力こそ、政治がおこなうべきであることを重ねて指摘します。現在の情勢も踏まえ、区として平和行政をさらに推進していく決意を、あらためて伺います。

昨年は、中学生を対象とした平和の旅の実施や難民を支える自治体ネットワークへの参加など、平和に関連した新たな取り組みをおこなってきた。今後も、様々な機会と捉え、より多くの世代に平和の意義を普及させることで、平和行政を一層推進していきたい。

 

 現在、区役所正面に掲げられている「憲法を生かそう くらしに 中野のまちに」と記した横断幕は、新庁舎でも継続すべきと求め、検討中とのことでした。ぜひ、新庁舎南側正面に掲示し、区としての平和行政への姿勢を示すべきです。見解を伺います。

「憲法を生かそう くらしに 中野のまちに」の横断幕は、新庁舎西側玄関上に通年で設置し、付近に設置する憲法擁護・非核都市の宣言を刻んだオブジェとの相乗効果を図ることとした。引き続き、憲法擁護・非核都市宣言の精神や平和への意思を発信していく。

 

次に、(4)公助の役割を果たすくらしの支援について伺います。

 行政窓口が閉まる年末年始、今回も、困窮者支援をおこなう様々な団体の皆さんが奔走されました。新宿都庁前で新型コロナ感染拡大前から始まった毎週土曜日の無料の食品配布は200回を超えましたが、利用者は増え続けており、昨年末は過去最多の779人が足を運びました。行動制限がなくなったことで、まちの中は一見にぎやかな雰囲気を感じさせつつも、支援を必要とする方々が減る兆しはありません。これは、公助の弱さの裏返しではないでしょうか。

 生活援護課が窓口なる生活相談の今年度の件数は、1月末時点で4096件です。これは、昨年度同時期の3586件を大きく上回り、新型コロナ感染拡大初年度の2020年度をも上回るペースです。区民生活の厳しさを表しているのではないでしょうか。生活保護申請および決定件数も増加しています。区は、こうした現状をどのように捉えているのか伺います。

区民生活の状況については、景気や物価、賃金の動向を踏まえ、様々な角度から把握する必要があるが、生活保護の相談件数や申請件数なども一つの要素と捉えている。生活相談件数が増えていることから、経済的な不安や困窮を抱える方が増えつつあると認識しており、今後も状況の把握に努め必要な対策を講じていかなければならないと考えている。

 

 仕事や住まいを失う若い方、低年金でダブルワークを余儀なくされる方など、寄せられる生活相談も深刻さを増しています。こうした苦境に照らし、新年度に検討している取り組みはあるのでしょうか。現在、確認書等の配布や申請が開始された住民税非課税世帯などを対象にした1世帯あたり7万円の給付について、3万円の時と同様に、区独自の対象を拡大していくことも検討すべきではないでしょうか。見解を伺います。

これまで経常的におこなってきた公衆浴場や商店街街路灯にかかわる光熱費の支援については、物価の状況を踏まえ、当初予算において助成額を増額する。また、新規に実施する区立学校の学校給食の保護者負担軽減や区立学校在籍以外の学齢期児童生徒の保護者支援については、物価高騰の状況を踏まえつつ子育て支援策をとして実施する。低所得世帯向け支援については、まずは国の給付金事業の対象者への速やかな給付に取り組み、区独自の対象者拡充やその他の対策については、物価状況等を鑑みて検討していく。

 

 これまでなら団体予約が入っていた飲食店も年末は閑散としていたとの声も伺っています。コロナ時に受けた融資の返済が始まり、返済のためにあらたに借金をするという方もいます。産業振興方針(案)に個店支援が盛り込まれたことは大事な点ですが、区内の個人・中小事業者支援として、光熱費の高騰の影響を緩和するため、杉並区などで取り組んでいる助成金なども検討すべきです。見解を伺います。

新型コロナウイルス感染症の影響で借り入れた融資の返済期限が到来し、新たに融資を受けなければ事業継続ができない事業者がいることは認識している。また、杉並区などで実施している光熱費高騰対策事業は把握している。エネルギー価格とそれに伴う光熱費高騰の状況は常に注視しているが、社会経済状況や区内中小事業者の実情を鑑み、借り換え融資の支援や中小事業者の人材確保や雇用支援、販路拡大、ITやDXなどを盛り込んだ経営力強化支援事業を検討している。区として、包括的な中小事業者支援策を実施していきたい。

 

この項の最後に、(5)新庁舎での窓口対応などについて伺います。

 区は新庁舎移転を契機として、最先端の区民サービスを提供し、来庁して手続きを行う際の利便性向上のため、4つのない(迷わない・待たない・動かない・書かない)と2のレス(キャッシュレス・タッチレス)によりスムーズに手続きを済ますことができる窓口を目指しています。また、来庁せずとも手続が完了するように、オンライン手続きの拡充にも取り組んでいます。利便性向上、手続きの簡素化など改善・拡充がされること自体は大事なことです。

 しかし、同時に、区役所の各窓口での相談は、複雑・多様化しています。部署間の連携が必要な相談も多くあります。デジタル化になかなか馴染めないという方もいます。そもそも誰に相談していいかわからない、行政窓口は知っているがハードルがある、これまでに相談した経験はあるがトラウマがある方などもいます。制度は使われてこそ、意味があります。新庁舎となることで、華やかさやスマートさ、デジタル化だけが全面にならないよう、いまある制度をきちんと周知すること、行政に相談していいと思っていただく積極的な繰り返しの発信や相談しやすい体制も、便利になることと同じく、大切と考えます。認識を伺います。

新庁舎においては、新たにおくやみ窓口や外国人相談窓口など、対面で対応して相談に応じる窓口の解説を予定している。新庁舎での各種相談窓口が区民から認識され、実際に相談していただけるよう、区報やホームページ、分野別のガイドブック等を活用して、繰り返し発信し、周知に努めていく。

 

 新庁舎において、おくやみ窓口や外国人相談窓口などがあらたに開設されます。このこと自体、大事なことです。同時に、大変、多様な声が寄せられると想定されます。そこで寄せられる声を聞き置くだけではなく、そこでの多様な相談に対し、今後、それを受けとめる制度の構築も欠かせないと考えます。区民部として、窓口で寄せられた一つ一つの相談に対し、どう受け止め、対応していくのか伺います。

おくやみ窓口や外国人相談窓口においては、相談者から内容を寄り添う姿勢で聞き取り、的確なアセスメントをおこない、相談内容に応じて適切な窓口や関係機関等に引き継いでいくことが重要と考えている。また、単に案内をするだけでなく、必要に応じて、相談員が窓口に同行して説明を補助することが関係する部署や関係機関と継続的な連絡調整をおこなうなど、相談対応が円滑に進められるよう、連絡体制の整備も進めていきたいと考えている。

 

 昨年の第4回定例会において、住まいの支援の対象の考え方を広く捉えることについて伺った際に、新たに開設する外国人相談窓口を通じて、ニーズ等を把握していくとの答弁がありました。外国人相談窓口の所管は区民部ですが、住宅課(都市基盤部)として、どのように把握し対応していくのか伺い、この項の質問を終わります。

住まいの相談については、生活支援をおこなう福祉部門と住宅部門の各窓口が相談者の状況や課題を聞き取り、必要に応じて相互に関係部署へ繋ぎ、連携して対応している。外国人相談窓口とも、相談者の相談内容や状況を共有し、課題に応じて住宅部門と福祉部門等の各窓口も含めて連携し、適切に対応していく。