歴史の事実に
1923年9月1日に発生した関東大震災から、今日で100年がたちました。首都圏を中心に強い揺れをもたらし、昼食時間と重なったことで、多くの火災が発生。10万5000人を超える死者・行方不明者の約9割となる9万人超が火災の犠牲となりました。
一方、この大震災では、「朝鮮人が暴動を起こした」といったデマが広がり、朝鮮人や中国人などに対する大量の虐殺事件が起こりました。
今年は関東大震災から100年の節目となり、関東大震災朝鮮人虐殺事件があらためて注目されています。
先日、政府の松野官房長官は、「調査した限り、政府内で事実関係を把握できる記録が見当たらない」と嘘を言い張り、東京都の小池知事は今年も、朝鮮人犠牲者追悼式典へ追悼文を送付しませんでした。送付しないのは、7年目となってしまいました。
事実を、そして、歴史を、なかったことにする‥。とんでもない話です。
内閣府ホームページには、朝鮮人虐殺の記録のある報告書が掲載されています。東京都が発行した「東京百年史」にも、多くの朝鮮人が惨殺されたことについて「史実として認め」「震災とは別の人災と認定し」「東京の歴史の拭うことのできない汚点である」と記録されています。だからこそ、歴代の都知事は、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典に「悲劇を二度と繰り返さない」とする追悼の辞を送付してきました。
いま、大事なことは、歴史の事実にきちんと向き合い、二度と悲劇を繰り返さない、特定の国籍や民族への差別や偏見やヘイトスピーチをなくすことに、力を尽くすべきではないでしょうか。