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平和の森公園

 一昨日、区議会定例会が閉会しました。田中区長時代の当初計画を完了させるための予算を含む「平和の森公園再整備工事請負契約に係る契約金額変更の議案」が、最終日の本会議に上程されました。付託された総務委員会は、度重なる休憩を挟みながら、約4時間に渡りました。党区議団は、この議案可決をもって、当初の計画通りに再整備工事が完了することから反対しましたが、賛成多数で可決。「草地広場を守るため」にあらゆる力を尽くしてきましたが、結果として、こうした自体となったこと、本当に残念で悔しくてなりません。様々な困難はあるにせよ、示され続けている民意に背を向けることは絶対にあってはなりません。

 以下、党区議団を代表し、本会議でおこなった討論の全文です。

 

 ただいま上程中の第62号議案【平和の森公園再整備工事請負契約に係る契約金額の変更について】、日本共産党議員団を代表し、反対討論をおこないます。本議案は、今定例会の初日に先議として上程・審査され、可決された補正予算に基づいて出された議案です。

 

 反対の理由は、この工事請負契約金額の変更をもって、平和の森公園が当初の計画に基づいての再整備が進められ、草地広場への300mトラック・100m直線、コンクリートすべり台の設置、草地広場内の園内灯の設置なども含めた当初計画に沿って再整備が完了することになるからです。

 

 区から「平和の森公園内に新体育館を整備し、あわせて公園全体を総合スポーツ施設に改修していく」という方針が示されたのは4年4カ月前、2015年の第1回定例会でした。平和の森公園がある場所には中野刑務所があり、当時、刑務所移転のための大きな運動がおこり、その跡地の活用については沢山の要望があった中で、ここには「緑と広場の避難場所をつくろう」と、多くの区民・区・区議会が一体となって、長年の運動の結果、緑と広場の防災公園である平和の森公園の開園に至たりました。そうした歴史と経過がある平和の森公園に、区民の皆さんや区議会でのまともな議論もないまま、公園のあり方を大きく変えてしまうこの方針が急遽出されたことはこれまでも重ねて指摘をし、計画自体の見直しを求めてきたところです。

 

 その後、大量の樹木を伐採しての多目的広場整備、草地広場に300mトラックや100m直線コースを、さらにはバーベキューサイト設置や草地広場を分断する園内灯の設置、築山を壊してのすべり台設置などの計画が示されましたが、多くの公園利用者・地域住民の皆さんからは計画の見直しを求める声が各意見交換会やパブリックコメント等でも圧倒的多数、出されました。また、議会に対しても、これらを趣旨とした10を超える陳情や請願が出されるなど、「緑とひろばの平和の森公園を壊さないで欲しい」というのが、区民・公園利用者の圧倒的な声だったのではないでしょうか。

 

 だからこそ、昨年の区長選挙でも大きな争点となり、「草地広場への300mトラック設置は見直しをしていく。緑と広場を守り、草地広場は残します」という公約を掲げた酒井区長が支持をされた大きな要素の1つであったと考えます。その後、昨年8月に平和の森公園再整備見直し案が示され、区民との語る会などを経て、まさに多くの公園利用者・地域住民の皆さんが望む平和の森公園第二工区に関する見直し案に基づいた工事請負契約変更に係る議案が今年の3月に提出されるという経過を辿ってきました。しかし、残念ながら、この見直しの議案は、19対20の僅差で否決となりました。

 

 しかし、その後の4月の区議会議員選挙でも、「平和の森公園草地広場を守って欲しい。これ以上壊さないで欲しい」という平和の森公園に対する、区民・公園利用者の願い・想いは一貫していました。こうした一貫した願い、そして、2度の選挙での示された民意に背を向けることは、絶対にあってはいけないと思います。

 

 区が理由とする「今後、あらためて再整備の変更案を示すとすれば、工事の中断による更なる工期延伸や工事中断後の工事再開不能となるリスク、損害賠償の問題」など、解決しなくてはいけない課題はあると思います。しかし、再整備工事の主体者・発注者は中野区自身です。政治の主役である区民の皆さんの願いに、こたえる責任があります。

 

 よって、この議案の可決をもって当初計画が完了する本議案には賛成することはできません。以上をもって、反対討論と致します。