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総括質疑①(特別支援教育の充実について)

 2月25日、予算特別委員会において総括質疑をおこないました。3回にわけて、質疑の概要をお伝えします。1回目は、一人ひとりに寄り添った区政についての中で、特別支援教育の充実についてです。なお、質疑は答弁によって変更した箇所もあるため、この通りではない部分もありますが、全体の主旨は以下の通りです(●が質問部分です)。また、質疑の要点はメモした答弁内容をまとめて掲載しています。言い回しなどの詳細は、のちに公開される議事録をみていただければと思います。

 

2020年第1回定例会・予算特別委員会において、日本共産党議員団の立場で総括質疑をおこないます。

 質問は通告通りで、その他はありませんが、質疑に入る前に1点。新型肺炎コロナウイルスに関わって、現在、中野区では健康危機管理対策本部を設置し、対応をしています。感染症の拡大防止のため、区内でおこなわれる各イベント等についての中止・休止も先週末に広い範囲で発表された。都内での感染、また、お隣の杉並区の佼成病院に入院されていた方の感染が明らかになったことも受け、区民にも不安が拡がっています。また、様々な情報が、噂も含めて飛び交っています。17日の本会議で、党区議団として羽鳥区議が取り上げましたが、その時とは、また、状況も変わってきている。各自の健康管理、手洗いやうがい、アルコール消毒の徹底とともに、やはり、こうした時に、公的機関である中野区自身が正確な情報を的確に発信することが、より重要と考えます。その際、国や東京都とも十分に連携・情報共有しながら、また、感染者が差別されず、人権が守られるようにする対策を強化する、ぜひ、その立場で、引き続き、対応を求めたい。

 

1、一人ひとりに寄り添った区政について
(1)特別支援教育の充実について
 2017年3月策定の中野区教育ビジョン(第3次)の中では、「特別支援教育への理解促進」「就学相談・発達段階に応じた支援体制の充実」「発達障害教育の推進」などが明記されている。新年度予算案において、予算説明書補助資料P170、新年度予算の主な事業の中で【特別支援教育の充実】として、就学相談に対応する心理職の増員による相談体制強化が示されている。評価するもの。今回はこれに関わって、①就学相談と②区立特別支援学級の充実の2点について、伺う。

 

(就学相談の充実、質の確保について)
●区では、一人ひとりの幼児・児童・生徒の発達段階や障害の状態に応じた教育の場をどのようにしていくかを、保護者とともに考え・相談していくために「就学相談」を実施している。「就学相談」の流れ、簡略に説明を。

 

●例えば、新年度に小学校1年生となるお子さんについて、この「就学相談」の中で、①区立小学校の通常学級か、②区立小学校の特別支援学級か、③都立特別支援学校か、転出や取下げを除いては、この3つのいずれかの就学先を決めることになる。小学校において、この「就学相談」の件数はこの5年間(H26~H30年度)、どう推移しているか。

 

●「就学相談」件数は、年々、増加している。こうした背景も受け、新年度、「就学相談」に関わる就学相談専門員の増員が予算化されたと思うが、「就学相談」に関わる就学相談専門員は、何に基づき定めているか。

 

●現在、この就学相談専門員は何名か(元の職業・雇用形態も含む)。

 

●新年度は、どの職種が何名増員となるか予定か、雇用形態もあわせて確認を。

 

●「就学相談」によって決まる就学先は、ご本人・ご家族にとっては、非常に大きなもの。相談件数が年々、増加する中で「就学相談」の質の向上、一人ひとりに寄り添いながら、より丁寧な関りが求められる。ある保護者の方から、区の「就学相談」のあり方について相談を受けた。この方は、新年度、小学校の1年生となる予定のお子さん(Aさん)のお母さん。お子さん(Aさん)はダウン症。大前提として、「就学相談」を経て、最終的に決定する就学先は、保護者の意向が尊重されないことはあるか。

 

●Aさんの就学先について、「就学相談」の結果、都立特別支援学校という判断がされた。Aさんの保護者は、居住地の学区内にある区立小学校の特別支援学級を希望されていた。Aさんに限らず、「就学相談」によって、就学支援委員会が出す判断と保護者の希望が一致しない(異なる判断が出る)ことはある。例えば、H30年度、小学校での就学相談は全体で96名だった。この中で、就学支援委員会の判断で、何名が都立特別支援学校の判断が出されたか、また、その判断とは違うこところに就学した児童は何名か。

 

●また、同じ年度で、区立小学校の特別支援学級の判断が出された児童は何名か。そして、最終的な就学先はどうであったか。

 

●つまり、就学支援委員会が判断した就学先とは異なるところに就学することは、少なくはない。「就学相談」の過程で、早い方は、就学する約半年前、前年の夏頃に就学支援委員会の判断が出るが、その後、保護者とはどういうやりとりをしていくのか。

 

●このAさん、最終的には希望していた居住地の学区内にある区立小学校の特別支援学級への就学が決まった。保護者はとても安堵されていた。しかし、この「就学相談」の中で、ある就学相談専門員から「あなたのお子さんは愛の手帳を持っているから、都立の特別支援学校へ」と言われたとのこと(愛の手帳=東京都療育手帳、知的障害の程度によって1~4度に区分される)。療育手帳や障害者手帳のあるなしが、就学先の決定に影響があるのか。

 

●判断する際の1つの指標にはなるが、愛の手帳を持っているから、イコール、特別支援学校へということではないはず。お母さんは、こう言われたことにとてもショック受け、また、怒りを持っていた。また、「私たち両親の考えや思いについて、話を最初からシャットダウンしているように感じた。毎回の面談で、繰り返し伝えても、聞いてもらえず非常に傷ついた。これまでの努力、Aさんのために家族でおこなってきたことを全否定されたような気持ちだった」ともおっしゃっていました。手帳のあるなしは、就学先の決定には直接的には関係ない。言葉の重さ、保護者・当事者に寄り添う姿勢があれば、出てこない言葉だったのではないかと思うがどうか。

 

●また、他の保護者のケースだが、「就学相談」の中で、「特別支援学校の方が手厚いサポートがあるから、そちらへ行った方がいい」と言われた方もいた。しかし、実際には、区立特別支援学級の方が、特別支援教育支援員が配置されているため人の数としては、特別支援学級の方が多い(支援員が十分かの議論はまた別、十分ではないが・・)。ある専門家の方は、「就学相談」の中で、こうした間違った情報を伝えないことも非常に大事とおっしゃっていた。当然、保護者が希望する判断がでない(希望する就学先にならない)こともある。基準に基づいての客観的な判断はある。実際に、判断と異なるところに就学した後、やはり、大変だということで、当初の判断のところに転学することがあることも承知している。しかし、その場合も今後のことを考えても信頼関係を築いておくことが大切であり、やはり、お一人おひとりに寄り添う姿勢、正しい情報を伝えることが求められる。人員を増やすこととあわせ、その観点が大切と思うが、どうか。

 

●文部科学省の「就学相談・就学先決定の在り方について」の中では、「本人・保護者と教育委員会、学校等が、教育的ニーズと必要な支援について合意形成を図っていくことが重要である」と記されている。この合意形成を図る大前提として、その姿勢、関係づくりが大切である。冒頭に伺った就学相談専門員の採用基準は、要綱の中でどう定めているか。

 

●要綱では、「教育職員としての勤務経験があるもの」とはなっているが・・。教育現場は年々、変化し、10年前とは大きく異なる。先程、紹介した専門家の方のお話では、「就学相談」にあたる専門員は、できれば「特別支援学校」と「区立学校の特別支援学級」の両方を経験し、それぞれの違いも知っている方がいいと。他区では、それを採用の条件にしているところもあるとのこと。人員確保がなかなか大変だということは承知しているが、採用の際、そうした点も考慮すべきではないか。

 

◎今後も「就学相談」は増えていくことが想定される。保護者・ご家族は、様々な不安を抱えている。お子さんの将来を考えた時、「これで良いのか」「自分の判断が間違っていなかったか」などの想いを持たれている。「この選択をすれば、100%大丈夫」ということもない。そのことは誰にもわからない。でも、その時、その時で、判断をしていく。
特別支援学校に長年、勤めるある先生が「やはり、いかに寄り添えるか。親御さんは常に不安な気持ちがある。迷いながら、その時々で判断をし、前へ進んでいる。だからこそ、いまを一緒に共有し、受けとめることを大事にしている。その上で、また一緒に悩み・考え、相談していく。この姿勢を大切にしている」とのことでした。本当にそうだと思う。新年度、心理士が1名増員になる予定だが、これでもまだ不足している現状だと思う。採用条件の考慮、関わる上での姿勢、あらためて求めたい。

 

(特別支援学級について)
●現在、区内には6つの小学校と3つの中学校に知的障害の特別支援学級がある。それぞれの学級数は異なるが、例えば、新井小学校(新年度は上高田小と統合し、令和小学校)には「こだま学級」がある。2019年5月現在、28名の児童が在籍し4学級となっている。こだま学級は、5年前の2014年5月時点では、21名で3学級だったが、2015年度から4学級になった。また、江原小学校の「わかば学級」も、2016年5月現在では7名1学級であったが、3年後の2019年5月現在では、17名3学級となっている。特別支援学級の1学級の定員は、基本は何人となっているか。

 

●基本8人というのは、何か根拠法などがあるのか。

 

●2019年5月現在、美鳩小学校の「あおぞら学級」は24人に児童数、3学級で、新年度、学級数の増加も想定される。来年度は。

 

●特別支援学級をあらたに開級する際、設置する基準は、条例や規則での定めはあるのか。

 

●特別支援学級の設置は、自治体の判断でできる。区内で6番目に開級した、当時の中野神明小学校内の「神明学級」(現在のみなみの小学校)は2013年4月、2人からスタートしたが、この時は、どういう判断で開級に至ったか。

 

●特別支援学級は地域指定がない。知的障害の特別支援学級は、現在、小学校では、北側に4校、南側に2校。南側の児童が、北側の学校に通っている子もいる。自ら選択してそうしている方もいることは承知しているが、学校統合の影響などで通学距離の問題も出てきていると聞いている。現在、6校にある現在の知的障害の特別支援学級の数や配置について、どう捉えているか。

 

●知的障害の特別支援学級のあらたな設置を求めたいと思うがどうか。

 

◎障害者権利条約、インクルーシブ教育(障害のある方が持てる能力を最大限まで発達させ、活躍できる社会をつくるという目的のもと、その推進をはかろうとする教育の仕組み)の観点ですすめていくことが大切。
かつて、区立小学校の特別支援学級に通っていて、今は成人したお子さん(知的障害+自閉症)のお母さんは、「地域の支援学級に通っていたから、身についた経験が沢山あった。通学時間帯にすれ違う人、商店街の人、バスの運転手さんなど、皆で育ててもらった。障害があっても、一人ひとり、教育に平等に参加する権利がある。障害があってもなくても、その地域の中で一緒に育っていく上でも区立学校の特別支援学級の役割は大切」とおっしゃっていた。
今後、状況を丁寧に把握しながら、あらたな特別支援学級の設置も含め、特別支援教育の充実を要望する。

 

【質疑の要点】
 就学相談件数は、この5年間で、34→51→60→77→96(小学校)と年々、増加しており、体制強化がより求められています。就学相談にあたる就学相談専門員は「中野区就学相談専門員設置要綱」で定められており、中野区では、教育職員としての勤務経験がある方、または、臨床心理士もしくは臨床発達心理士の資格を有する方で教育分野における相談業務の経験があることを任用の条件にしています。現在、区では3人を採用し、うち2人は特別支援学級設置校の元校長先生、1人が特別支援学校の教員経験者となっています。新年度は、心理職1名を加えて4人体制となる予定です(新年度予算案で計上されているものがここに該当)。

 

 就学相談によって決まる就学先は、ご本人・保護者の意向が尊重されることは大前提であり、また、知的障害の程度によって1~4度に区分される愛の手帳=東京都療育手帳や障害者手帳のあるなしが、就学先の決定に、直接的には影響はありません(あくまでも、総合的判断の1つの指標)。就学支援委員会が就学先を判断する時期は、早い方では就学前年の夏頃になりますが、総合的な判断として、就学支援委員会が判断した就学先が、ご本人・保護者の意向と一致しないことも少なくありません(例えば、H30年度、区立小学校の特別支援学級が適切と判断された30名の児童のうち、その判断と同じ場所に就学した児童は15名。12名は区立小学校の通常学級に就学しています)。そのため、見学や体験入級などもしながら、面談を重ね、就学先をどうしていくか、最終的に相談をしていくことになります。

 

 この期間、就学相談については、複数の保護者から相談が寄せられてきましたが、その中で、就学相談専門員の心無い言葉や姿勢に対する怒りの声や改善を求める意見がありました。いくつかの声を質疑の中で取り上げましたが、そうしたことがあったことは区も認め、改善を図ってきた(図っていきたい)と答弁がありました。やはり、関わる上での姿勢、寄り添い、共有していくこと、お互いの信頼関係を築いてこそ就学相談が成り立っていくことなどをあらためて質し、人員を増やすこととともに、その姿勢・視点が何よりも大切であることを求めました。また、正確な情報を伝えることも重要であること、更には、可能であれば、就学相談専門員の採用にあたっては、特別支援学校と特別支援学級の両方を経験されている方を採用条件としていくことも考慮すべきと求めました。

 

 現在、小学校では6つの特別支援学級(知的障害)がありますが(北部に4学級、南部に2学級)、各学級ともに児童数は増えてきています(1学級あたり上限8人)。特別支援学級は、地域指定がないため、学校統合の影響などで通学距離の問題も出てきています。特別支援学級をあらたに開級する際(現在、特別支援学級がない学校に設置する際)、その基準や条例・規則での定めはないため、区が必要と判断すれば、設置することができます。区は、現時点では、不足している状況ではないとしていますが、設置校の位置、地域によっては通学距離や時間の面で差が出ていることは認識していると答弁。今後、状況をより丁寧に把握しながら、あらたな設置について、要望しました。

2016年以前の記事は旧・ホームページでご覧ください。