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本会議質問④(終)

5、次に、ひきこもり支援について伺います。
 
 5月28日に川崎市で起きた無差別殺傷事件はいかなる理由があっても絶対にあってはならないことです。お亡くなりになられた方、被害にあわれた方、そのご家族ご関係者の皆さんに心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。ご遺族や事件に巻き込まれた子どもたちや保護者・関係者の心のケアを十分におこなっていくことが求められます。また、この事件から4日後の6月1日には、元農水事務次官の長男刺殺事件が起きました。容疑者である父親は「川崎市での殺傷事件を知り、長男も人に危害を加えるかもしれないと思った」との趣旨を話したとの報道も受け、非常に胸が苦しくなりました。
 
 なぜ、このような事件が起きてしまったのかを社会全体で考え、解明していくことがとても大切であると感じます。容疑者がひきこもり傾向にあったということで、「ひきこもり」と「犯罪」を軽率に結びつけるような報道もあり、「誤解や偏見を助長するようなことは控えて欲しい」と当事者や家族会、ひきこもり支援団体から相次いで声明が発表されました。
 
 特定非営利活動法人KHJ(Kazoku Hikikomori Japan)全国ひきこもり家族会連合会さんは、今回の事件についての声明文の中で、「ひきこもり状態にある人が、このような事件を引き起こすわけではない。ひきこもる行為そのものが問題なのではない。(中略)社会の中で属する場もなく、理解者もなく、追い詰められ、社会から孤立した結果、引き起こされた事件だったのではないか」「ひきこもり支援は、制度と制度のはざまに置かれがちである。行政の縦割り構造をなくし、部署を超えた多機関で情報共有して、密な連携が取れる仕組みをそれぞれの地域につくることが喫緊の課題である」と述べています。これは、重要な指摘・見解だと思います。
 
●そこで伺います。現在、中野区でおこなわれているひきこもり支援の現状について答弁を求めます。
 
答弁
→中野区が実施しているひきこもり者の相談は、地域のワンストップ総合相談窓口としてのすこやか福祉センターの相談支援や生活援護課の生活困窮者自立支援などがある。この他、当事者・家族支援として社会福祉協議会の「カタルーべの会」の事業などとも連携体制の強化に努めている。
 
●中野区のホームページにおいて、「ひきこもり 支援」と検索をすると、一番初めには「中野くらしサポート(自立相談支援窓口)」が出てきます。これは、健康福祉部生活援護課所管です。その次には、「こころの健康に関する相談・支援 こころのクリニック」が出てきます。これは、地域支えあい推進部の各すこやか福祉センターが所管です。また、障害福祉所管では「せせらぎ」があります。先に述べたように、部署を超えた多機関での情報共有が大切と考えますが、現在、部署間でとっている連携のあり方について伺います。
 
答弁
ひきこもり者の支援は地域での見守り支えあいが重要であることから、各部署がそれぞれの専門性を活かしつつ、すこやか福祉センター、アウトリーチチームなどとも連携して包括的な支援につながるよう努めている。
 
●東京都では「ひきこもりサポートネット」があります。電話・メール、家族への訪問により、本人・家族などからの相談に応じています。ひきこもりの長期化・高齢化も課題となる中、これまで「義務教育終了後の15歳~概ね34歳まで」の方を対象としていた訪問調査を、今月からは35歳以上の方への支援も開始し、年齢を区切らずに支援すると改善したことは歓迎すべき取り組みです。加えて、訪問相談の回数を増やすこと、各区市町村との連携を強め、年齢にかかわらず、本人も家族も安心して相談できる窓口に改善することが求められています。家族だけでの対応は限界があり、専門家の支えも欠かせません。都との連携はどのようにされているか伺います。
 
答弁
→地域包括支援センターや障害者相談支援事業所など、区の様々な部署に寄せられたひきこもりにかかわる相談のうち、より専門性の高い対応が求められる事例については、すこやか福祉センターが窓口となり、都の「ひきこもりサポートネット」と連携して、家庭への訪問相談につなげ、問題解決を図っているところである。
 
 今年3月末に内閣府から引きこもりに関する実態調査が公表されました。全国的な規模で数が明らかになるのは初めてで、この調査では、40~64歳の中高年のひきこもりの人が全国で61万人を超え、15~39歳の推計約54万人を上回りました。引きこもりの「高齢化」「長期化」が1つの調査として示されました。中野区としての支援のあり方を考える上で、今回の調査結果は活かせるものがあるのではと思います。
 
●区の資料を探すと、「中高年のひきこもり調査のまとめ」という2017年5月の健康福祉審議会-介護・健康・地域包括ケア部会の資料があります。この調査は、社会福祉協議会が実施したもので、資料としてはとても貴重なものだと思います。区長の行政報告・地域包括ケアシステム推進の項目内でも一部、触れられていましたが、今後、一つの大切なテーマになると考えます。東京都では、庁内横断の「ひきこもり支援施策推進会議」が始まっています。内閣府の調査、社会福祉協議会が実施した調査も積極的に活用しながら、また、東京都の取り組みなども参考としながら、区としての調査や支援のあり方を検討すべきです。見解を伺います。
 
答弁
→内閣府の調査に基づき、中野区の中高年のひきこもり者を推計すると、およそ、1600人となる。区としても何らかの調査が必要であると考えており、効率的な手法を研究していく。
 
●いま、とても生きづらい社会の中で、ひきこもるということは誰にでも起こりえることだと私は思います。そして、そこに至る状況や原因はひとりひとり異なります。だからこそ、ひとまとめにしてはいけない、ましてや「ひきこもり」と「犯罪」を安易に結びつけるようなことはあってはなりません。一般社団法人ひきこもりUX会議さん(Unique eXperience ユニーク・エクスペリエンス=固有の体験)のこの事件に関する声明文の中で、「社会のひきこもりへのイメージが歪められ続ければ、当事者や家族は追いつめられ、社会とつながることへの不安や絶望を深めてしまいかねません」と、指摘しています。一人ひとりが異なるということ、ひきこもり状態からそれぞれが自分なりの生き方を見つけていくことも、その道筋やゴールもみんな異なります。そこを共有していくことが本当に大事だと思います。その人にふさわしい「寄り添う支援」「伴走型の支援」が必要と思いますが、区の認識を伺い、この項の質問を終わります。
 
答弁
→ひきこもりの状態にある方は、地域との関係性が希薄であり、対人関係の不安や自己表現の困難さ、将来への不安などを感じている場合もあり、そのような複雑な心情等を理解し、丁寧な対応をおこなうことが必要であると考えている。ひきこもり者への支援には、本人・ご家族に寄り添いながら、地域での継続的で包括的な支援につなげることが重要である。関連部署・関連団体が一体となって進める地域包括ケア体制を構築して支援をおこなっていきたい。
 
5、最後にその他で、
(1)商工会館の跡地活用について伺います。昨年の第二回定例会で、中野区立商工会館条例を廃止する条例が可決され、今年3月末をもって、廃止されました。前区長のもとで売却の方針でしたが、酒井区長のもとで、安易な売却はしないとの方針が示され、この期間、同僚議員からも何度か質疑があったところです。
 
●商工会館が位置していた場所は、立地条件がよく3階にあった会議室などは、多くの区民・区内団体が様々な形で使用しており、地域住民からはこうした会議室機能は残して欲しいとの要望が強く寄せられています。跡地の活用については、区民の方々からの意見をしっかりと聞いた上で検討すべきと思いますが、見解を伺います。また、現時点で示せるスケジュールがあれば、あわせて答弁を求め、すべての質問を終わります。
 
答弁
→廃止となった当該施設・土地については他の未利用となる施設と同様に、これらを資産と捉え区民ニーズや将来の行政需要を見据えながら有効活用を図ることを検討していく。また、会議室の確保については、中野駅周辺エリア全体の状況を踏まえ、今後の課題として検討していく。跡地については、基本計画の策定などの過程において区議会や区民の声を聞いた上で活用の方策を定めていきたい。
2016年以前の記事は旧・ホームページでご覧ください。